column コラム

歩車共存道路整備における上下式車止めのメリット ~タイ バンコク カオサンロードのサンバリカー~

 

車道と歩道を分けるために金属製の車止めポールを設置したいが、イベント等の際は邪魔になってしまう。

何か良い方法はないか、お困りではありませんか。

地中に収納できる保守管理の楽な上下式車止め「リフター」は、このような問題を解決することができます。

 

観光地や繁華街など人通りの多い街路整備において、車両の進入を視覚的に抑止する目的で車止めを設置することは多いと思います。「普段は車を通行させないが、イベントやお祭りの際は搬入出車両や屋台を入れたい。」「普段は車も通れるが、土日やイベント時には歩行者天国にしたい。」「商店街やアーケード街で特定の時間帯のみ車両通行可にしたい。」など、リフターはこのようなシチュエーションに最適な製品です。

 

 

上下式車止め「リフター」のメリットとは

 

リフターの最大のメリットは、「必要に応じて地中に収納ができ、クサリを張ることも可能」という点です。

 

 

支柱の上げ下ろし及び鎖の有無によって「車も歩行者も通さない」「歩行者は通すが車は通さない」といった進入禁止対象の切り替えが簡単にでき、全て地中に収納すれば「車も歩行者も自由に通す」こともできるのです。

また、標準でロック機能が付いており、勝手に下ろされる心配もありません。地中収納時の段差がなくフラットなバリアフリー仕様のラインナップもあります。


 

リフターに似た用途の製品に差込式タイプの車止めがあります。このタイプは筒状のサヤカンを地中に施工し、本体支柱を差し込んで使用します。本体支柱を抜くことでオープンにすることができますが、抜いた支柱の保管場所が必要になる点がデメリットです。(見える位置に置くのでは見栄えが悪く、離れた場所に保管の場合でも運ぶ手間がかかる)地中に収納するリフターにはその煩わしさがなく、操作性の面では優れていると言えます。

 

 

その他、リフターには次のようなメリットもあります。

 

●本体の交換が簡単

 

 

車やバイク等が衝突して本体支柱が破損した場合でも、基礎はそのままにGL面のビスを外すだけで簡単に交換が可能です。

 

●サイズや材質のバリエーションが豊富

 

 

直径は48.6mm~165.2mmまでを取り揃えております。材質はオーソドックスなステンレス製、意匠性のあるアルミヘッドリフター、リフターボラード、柔軟性と復帰性能を持つゴム製リフターのラインナップがあります。用途や周囲の景観に応じてお選びいただけます。(リフターのラインナップを見る)

 

 

タイ カオサン通りの事例紹介

 

これから、実際に街路での歩車分離の目的でリフターをご採用いただいた、タイの「カオサン通り」の事例をご紹介します。

 

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カオサン通りはバンコクのプラナコーン区にある、バックパッカーの拠点として世界的に知られる繁華街のメインストリートです。多彩なショップや屋台・安宿が建ち並び、世界各国から集まった旅行者や現地の若者で常に賑わっています。

 

 

リフター施工前のカオサン通りは、歩行者と車の通るエリアが分かれておらず混沌としていました。タイは日本と違って歩行者優先ではなく車優先の意識が強いと言われており、観光地とは言え歩行者は十分気を付けなければいけません。また、数多く出店している露店や屋台が通行の妨げになることもありました。こういった背景から、「歩行者・屋台と車の通る場所を明確に分けたい」という役所様のご要望があり、通りのリニューアルプロジェクトがスタートします。

 

 

リフターが施工され、歩行者・屋台(両サイド)、そして車(中央・一方通行)のエリア分けが明確になりました。

 

このエリアで初めて採用される日本製外構製品として、弊社のリフター(品番:LA-12K-BF)534本をお選びいただきました。全長300m程ある通りの端から端まで一直線にリフターが並ぶ光景は壮観です。普段は全て上げた状態ですが、旧正月のお祭りソンクラーン(水かけ祭り)や、その他イベント等の期間中は、リフターを一部降ろして歩行者天国にするそうです。下ろした際に段差が残らないバリアフリー仕様の為、歩行者がつまずく心配もありません。

 

 

リフターは全て広島の弊社工場で製造し、コンテナでタイに輸出しました。工事は、2020年1月30日にコア抜きが始まり、3月11日にリフターの施工を開始、そして5月20日に全て完了しました。この一大プロジェクトは、弊社のグループ会社であるヨーロピアンフラッグポールがPRから施工の監修までフォローしました。本件によってサンポール製リフターは現地で高く評価され、引き続き別のプロジェクトにもご検討いただいています。

 

 

こうしてリニューアルされたカオサン通りですが、タイミング悪く新型コロナウイルスの流行と重なってしまいました。工事が完了する5月20日頃には、「COVID-19パンデミックの重大局面を一緒に乗り越えましょう。カオサン通りから世界に祈りを。」と書かれた横断幕が掲げられています。以前のような人出はなく流行前では考えられないほど閑散としています。

 

最近はタイの外出禁止令も少しずつ緩和されているようです。一刻も早くコロナウイルスの流行が収束し、賑わいが戻ってくることを願っています。

 

 

今回はタイの事例をご紹介しましたが、リフターは日本国内でも数多くご利用いただいているロングセラー製品です。

製品についての詳細はこちらからご覧いただけます。

興味を持たれた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。